ヤエヤマムラサキ
ヤエヤマムラサキ♂ (2009年10月12日 沖縄県石垣市) |
ヤエヤマムラサキ♀ (2016年11月7日 沖縄県西表島) |
最近蝶をめぐるいやなニュースがとても多い。 きょうの新聞ではルソンカラスアゲハの密輸で逮捕者が出て いた。ことしはSやTという名だたる標本商やそこから蝶を買 った愛好家が逮捕されたり、書類送検されたりするケースが 相次いでいる。 その端緒がまた、マニアのいわゆる”タレコミ”だという。 成田に戻ってきた途端、入管で荷物を開けられ「御用」 というケースまであるという。 悪いことをするのは確かに悪いのだが、たかが趣味の世界 で、もっとおおらかに楽しめないものかとも思う。 ぼくはカメラで撮影が主体だから良いのだが、それでも撮影 だけで厳しく注意されたことがある。注意した人は地元のマ ニアということだった。 南の島の林道でヤエヤマムラサキに出会った。 いかにも南の蝶という雰囲気を持っている。 もともともっと南の蝶で土着種ではないが、夏から秋にかけて 見ることが多い。 オスはチョコレート色、メスは魅惑的なブルーの輝きを持って いて胸躍る蝶の一種である。 |
ヤエヤマムラサキ♂ (2022年11月11日 沖縄県石垣市) |
リュウキュウムラサキ♂ (2022年11月11日 沖縄県石垣市) |
ヤエヤマムラサキ♀ (2019年10月17日 沖縄県石垣市) |
ヤエヤマムラサキ♀ (2016年11月7日 沖縄県西表島) |
ヤエヤマムラサキ♀ (2016年11月6日 沖縄県石垣島) |
ヤエヤマムラサキ♂ (2011年12月4日 沖縄県石垣市) |
ヤエヤマムラサキ♂ (2009年10月12日 沖縄県石垣市) |
ヤエヤマムラサキ (2009年10月12日 沖縄県石垣市) |
ヤエヤマムラサキ♂ (2009年10月14日 沖縄県石垣市) |
ヤエヤマムラサキ♀ (2009年10月14日 沖縄県石垣市) |
ヤエヤマムラサキ♀ (2009年10月14日 沖縄県石垣市) |
ヤエヤマムラサキ♀ (2011年12月4日 沖縄県石垣市) |
ヤエヤマムラサキの抱卵 (2011年12月5日 沖縄県石垣市) |
小雨の降る林道を歩いていると、オオイワガネの葉裏にヤエヤマム ラサキがひっそりと止まっていた。 良く見ると卵がびっしりと体の下にある。 特異な習性として知られるヤエヤマムラサキの抱卵だった。 ヤエヤマムラサキは一度に数百個の卵を産む。産卵の後、その場を 離れず、じっと孵化を待つ。小ハエやアリなどの外敵から卵を守るため だという。 幼虫になるまで数日から1週間、ヤエヤマムラサキは卵から離れな い。みごとな母性愛だ。卵が乾燥しないように時々口吻を伸ばしてな めるような仕草もする。 やがてこどもたちが孵化すると、母蝶は安心したようにひっそりと 死んでいく。 他の蝶にこうした習性はまったくない。 例えば、ナミアゲハはミカンの新芽に1卵ずつ産卵すると、またどこか のミカンの木を求めて飛び去ってしまう。ギフチョウはカンアオイの新 葉に約10卵ほどを産み付けるが、産卵が終わればどこかへ飛んで 行ってしまう。 わが子の成長を気遣うという習性はどの蝶にもない。 ヤエヤマムラサキにどうしてこういう特異な習性が備わったのか、とて も不思議なことだ。 |
ヤエヤマムラサキの抱卵 (2016年11月6日 沖縄県石垣島) |
ヤエヤマムラサキ (2017年10月15日 沖縄県石垣市) |