コヒオドシ


 コヒオドシ
コヒオドシ
(2016年7月25日 北海道大雪山・黒岳)
 アサヒヒョウモンに会いたくて大雪山の黒岳に登った。3年前コマクサ平
 に登ったが、雪渓をトラバースするのが怖く、2度と行きたくないと思った。
 最初はひとりで挑戦するつもりだったが、妻が一緒について来た。

 ロープウエーとリフトを使って7合目まで行けるので、こちらの方が楽だ
 ろうと考えていた。しかし、1984メートルの黒岳山頂までの登山は僕ら
  には厳しかった。木の階段とゴロゴロした石の登山道を上がって行く。
 ゆっくり休み休み登った。途中の景色と美しいお花畑が疲れる体を癒し
 てくれた。

 やっとの思いで山頂に着いた。そこからの大展望は感激ものだった。
 ぼくはなんとかアサヒヒョウモンがいないかと探し回った。しかし、ウスバ
 キチョウを2回、ダイセツタカネヒカゲを1回目撃しただけだった。

 コヒオドシだけが高速で飛んでいた。
 やっと花に止まったところを撮影した。アサヒヒョウモンは幻に終わって
 しまった。 
 
コヒオドシ
(2019年8月8日 長野県乗鞍岳)
コヒオドシ
コヒオドシ
(2009年7月24日 北海道上川町)
コヒオドシ
コヒオドシ
(2009年7月24日 北海道上川町)
   若い頃、小学生の息子を連れて北アルプスの蝶ヶ岳に
   登ったのははるか遠い思い出である。

   上高地から徳沢を経てバテながら登って行く。

   夏のお盆の季節とあって、蝶ヶ岳の小屋は超満員だっ
   た。体と体をくっつけ、まるで朝のラッシュアワーのよう
   な状態で睡眠を取った。

   夜中トイレに起きると、もう横になる隙間もなかった。
   仕方なく、トイレの前のわずかな空間で仮眠を取った。

   それでも早朝の日の出は感激だった。雲海が徐々に
   茜色に染まって、そこから大きな日輪が昇ってくる。
   小さな息子は感激で声もなく見つめていた。

   北アルプスの峰々が目の前に聳え立っていた。

   気温が上がってくると、そこは高山のお花畑だった。

   コヒオドシが華麗な翅の模様を見せながら勢い良く飛び
   回っている。今も瞼に焼きつく光景である。

   コヒオドシは北海道と本州の中部山岳地帯に棲んでい
   る。本州では高山蝶のひとつである。

   もう一度、蝶ヶ岳に登って見たい。無理かなとも思う。

   あのお花畑でコヒオドシにまた会えたら、最高だと思う。
コヒオドシ
コヒオドシ
(2008年7月16日 北海道富良野市)
コヒオドシ
コヒオドシ
(2008年7月16日 北海道富良野市)
コヒオドシ
コヒオドシ
(2008年7月15日 北海道札幌市)
コヒオドシ
コヒオドシ
(2008年7月16日 北海道富良野市)
コヒオドシ
コヒオドシ
(2008年7月16日 北海道富良野市)
 上高地に最初に行ったのはたしか、昭和42、3年頃だと思うからもう
 45年近く前になる。

 その頃はまだひっそりとした情感があったが、今はすっかり観光地化
 している。特に夏のお盆前後は人で溢れかえっている。
 観光バスの多くは大正池で客を降ろし、河童橋まで1時間近く散策さ
 せ、その後は食事などして帰って行くというのがパターンだろう。

 昔と随分変わったが、大正池の変貌ぶりは驚くほどだ。
 かっては池という雰囲気があり、枯れたカラマツなどの樹木がいい景
 色となっていた。ちょっと霧などがかかると幻想的で素晴らしい所だっ
 た。

 久しぶりに大正池を訪れたが、池の雰囲気はもうまったくなくなり、梓
 川が流れているだけで、樹木も数本がかろうじて残っているだけだっ
 た。あまりの変わりように愕然とした。

 自然はどんどん変貌していくのだろう。

 オオイチモンジでもいないかと河畔を歩いてみたが、河童橋の近くで
 1頭飛んで行くのを見ただけだった。その代わりか、コヒオドシが路上
 で休んでいた。とても敏感で近づくと、すぐに飛び立って行った。 
コヒオドシ
コヒオドシ
(2013年8月1日 長野県上高地)
 
 コヒオドシ
コヒオドシ
(2015年6月14日 北海道上川町)
コヒオドシ
コヒオドシ
(2017年7月23日 北海道上川町) 
 コヒオドシ
コヒオドシ
(2017年7月22日 北海道黒岳)


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