ホシミスジ
ホシミスジ (2014年6月21日 山梨県北杜市) |
バレエの公演のチラシにはよく「パリのエスプリ」という言葉が使わ れる。 ローラン・プティの作品などはその最たるものだろう。 プティの代表作に「若者と死」がある。ジャン・コクトーの台本に振付 けた1幕のバレエだ。 モンマルトルの貧しいアパート。売れない若い画家が画を描いてい る。自分を認めない世の中に若者は激しい苛立ちがある。 そこに女が入って来る。若者は女に迫るが冷たく拒絶される。 若者と女がいさかいを起こし、若者は絶望の挙句首を吊って死ん でしまう。そこにドクロの仮面をつけた死神が現れ、若者を屋根の 上に連れて行く。若者の魂はパリの空をゆらゆらとさまよう。 オペラ座界隈をさまよってタクシーに乗ると、アラブ系の運転手は きれいにライトアップされたシャンゼリゼ通りを抜け、「裕仁、ニッポ ン、万歳!」と笑いながら話しかけてきた。僕は黙って鮮やかな色 彩の魔術のようなエッフェル塔を振り返って見ていた。 「若者と死」を思い浮かべていたのだ。 パリにエスプリを感じるのはいつだろう。クリスマスのシーズンなの か枯葉の頃なのか。 ホシミスジにはそんな洒落たパリの小粋な雰囲気が漂っている。 ミスジチョウやオオミスジ、コミスジなど似たような蝶は多いのだが、 どうしてホシミスジにそんな連想が重なってしまうのだろう。 |
ホシミスジ (2019年7月24日 群馬県高崎市) |
ホシミスジ (2014年6月21日 山梨県北杜市) |
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ホシミスジ (2014年6月21日 山梨県北杜市) |
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