ゴマダラチョウ
ゴマダラチョウ (2009年5月19日 東京都三鷹市) |
夏目漱石や芥川龍之介が俳句にも没頭していたことはあまり 知られていない。 その芥川の俳句におもいろい句がある。 蝶の舌ゼンマイに似る暑さかな ゴマダラチョウがクヌギの樹液に来ていた。黄色いちょっと ユーモラス(?)な口吻を伸ばして湧き出る樹液を飲んでいた。 スミナガシなどもそうだが、黄色く太い口吻は見る人によって は不気味にも感じる。 芥川はそれを蝶の舌ととらえ、機械仕掛けのゼンマイのようだ と思ったのだ。ユニークな作家らしい発想だと思う。 |
ゴマダラチョウ (2021年5月12日 加曾利公園) |
産卵するゴマダラチョウ (2020年8月8日 東京都港区) |
ゴマダラチョウ♀ (2020年8月8日 東京都港区) |
ゴマダラチョウ♀ (2020年8月8日 東京都港区) |
ゴマダラチョウ (2009年5月19日 東京都三鷹市) |
ゴマダラチョウ (2015年5月17日 北関東山地) |
ゴマダラチョウ (2011年5月31日 千葉県千葉市) |
”御神木”というのがあるそうな。 普通は神さまの宿る霊的な木のことだが、蝶の愛好家の間で は蝶たちの集まる特別な木のことを指している。 樹液がこんこんと湧き出し、そこにはカブトムシやオオムラサキ ルリタテハ、ゴマダラチョウたちが集まってくる。 日野春のどことか、高尾山のどことか、意外と身近などこどこ 公園のクヌギの木だとか、中には超有名な御神木もあるらしい。 ゴマダラチョウは都心にも生息する普通の蝶である。 エノキを食樹にしているが、最近は神奈川県などで放蝶された 中国のアカホシゴマダラが勢力を伸ばし、ゴマダラチョウが影響 を受けている。 蝶の少ない千葉でも珍しい蝶ではない。千葉市内の公園の大 きなエノキでも発生している。 しかし、この公園には樹液を出す木がなく、ゴマダラチョウはエノ キの木の上をいつも飛び回って、ゆっくり撮影させてくれない。 御神木があって、こんこんと湧き出す樹液をたっぷり飲める蝶と その恩恵を受けられない蝶と、ちょっと気の毒になってくる。 |
ゴマダラチョウ (2009年5月26日 北関東山地) |
ゴマダラチョウ (2009年5月26日 北関東山地) |
エノキの葉裏に産卵するゴマダラチョウ (2011年6月4日 千葉県千葉市) |