タイワンキチョウ
タイワンキチョウ (2009年10月12日 沖縄県石垣市) |
ヘルマン・ヘッセは蝶に関する散文、詩をいくつか残しているが、 その中にこういうのがある。 早朝の日の輝きに酩酊して 黄色い蝶が一羽よろめき飛ぶ 眠そうに身をかがめた老人が 窓辺に座って休んでいる 昔彼は歌をうたいながら 春の若葉の中を出発した たくさんの道のほこりが 彼の髪を白くおおった たしかに花ざかりの木と 蝶たち あの黄色い蝶たちは ほとんど老いを知らず 今もあの頃と同じようにみえる 春はかすかな蜜蜂の羽音のように 春の歌を 優しい歌を口ずさむ 空は青く白くふるえて 蝶が金色にひらひらと飛んでゆく この蝶はキチョウによく似ている。 石垣島、西表島に産するが、採集してみないと判別はなか なかむつかしい。 |
タイワンキチョウ (2022年11月10日 沖縄県石垣市) |
タイワンキチョウ (2022年11月10日 沖縄県石垣市) |
タイワンキチョウ (2016年11月6日 沖縄県石垣市) |
タイワンキチョウ (2009年10月12日 沖縄県石垣市) |
タイワンキチョウの産卵 (2014年11月28日 沖縄県石垣島) |
石垣島などではキチョウとタイワンキチョウは混棲していることが多く 判別するのはかなりむつかしい。キチョウがどちらかというと平地、タ イワンキチョウが山地に多いが、それでもそんなにはっきりした棲み 分けでもない。 飛んでいるところを見ていると、キチョウがやや小さいかなという感じ である。 唯一確実に違うのは産卵である。 キチョウはネムノキなどに1卵ずつ産みつけるが、タイワンキチョウは 長い時間をかけて産卵を続け、時には100卵近くになることがある。 見分けがつかないほど良く似た蝶だが、習性はまったく異なるのであ る。 |
タイワンキチョウの卵塊 (2014年11月28日 沖縄県石垣島) |
タイワンキチョウ (2014年11月25日 沖縄県石垣島) |
タイワンキチョウ (2010年3月14日 沖縄県石垣市) |
タイワンキチョウ (2010年3月14日 沖縄県石垣市) |
タイワンキチョウ (2015年10月12日 沖縄県石垣市) |