スジボソヤマキチョウ


スジボソヤマキチョウ
スジボソヤマキチョウ
(2006年8月7日  長野県入笠山)

   房総半島を除くと千葉県はほんとに蝶が少ない。

   土地に起伏が少なく、落花生を主体とした畑ぐらいしかなか
   ったので、蝶の棲める空間がとても少ない。

   スジボソヤマキチョウも関東地方には広く分布しているのに
   千葉県だけには生息していない。

   甲信越、東北などに産地が限定されるヤマキチョウと酷似し
   ているが、こちらは本州から九州、四国にも分布、個体数も
   少なくない。

   高原で見かけるのはだいたいスジボソヤマキチョウである。

   なかなか見分けるのはむつかしいのだが、こちらの方は前翅
   端が鋭くとがっており、ヤマキチョウは前翅前縁にピンク色の
   ふちどりがあることなどの違いがある。

   食樹はクロウメモドキでベニモンカラスシジミと同じだが、ベニ
   モンカラスシジミが発見された後、多くの地域で採卵のため食
   樹が根こそぎ剪定されてしまった。

   この蝶に影響がなかったのだろうかと心配になった。

   落ち葉の間などで厳しい冬を過ごすが、春に現れるものは気
   の毒なほどぼろぼろになっている。
 
スジボソヤマキチョウ
(2019年9月19日 長野県南牧村)
 スジボソヤマキチョウ
スジボソヤマキチョウ
(2019年9月2日 長野県南佐久郡)
ヤマキチョウ
スジボソヤマキチョウ
(2018年8月14日 長野県小諸市) 
スジボソヤマキチョウ
スジボソヤマキチョウ
(2014年7月29日 長野県白馬村)
 
スジボソヤマキチョウ
スジボソヤマキチョウ
(2013年6月23日 山梨県北杜市) 
スジボソヤマキチョウ
スジボソヤマキチョウ
(2006年8月7日  長野県入笠山)

スジボソヤマキチョウ
スジボソヤマキチョウ
(2006年8月7日  長野県入笠山)

スジボソヤマキチョウ
スジボソヤマキチョウ
(2006年8月7日  長野県入笠山)

   梅雨の晴れ間、気温が30度を超えていた。

   林道を歩くのもしんどいほどだ。

   冷たい沢の水でも飲みたい気持ちになる。

   蝶だって同じ気分だろう。

   でも、このスジボソヤマキチョウたちが群がっていたのは、
   からからに乾いた砂礫質の斜面だった。

   小さな火山性の砂礫の中に首を突っ込み、一生懸命、
   口吻を伸ばしている。

   スジボソヤマキチョウは何を求めているのだろうか。

        山国の蝶を荒らしと思わずや

    この句は虚子が小諸を訪れた時詠んだものだが、炎天下
    スジボソヤマキチョウの吸水を見て、蝶のたくましさを感じ
    たのだった。
スジボソヤマキチョウ
スジボソヤマキチョウ
(2007年7月27日  長野県軽井沢町)
 スジボソヤマキチョウ
スジボソヤマキチョウ
(2013年6月23日 山梨県北杜市)
 スジボソヤマキチョウ
スジボソヤマキチョウ
(2014年6月21日 山梨県北杜市)
 スジボソヤマキチョウ
スジボソヤマキチョウ
(2015年8月6日 長野県南牧村)
スジボソヤマキチョウ
スジボソヤマキチョウ
(2015年8月6日 長野県南牧村) 
 スジボソヤマキチョウ
スジボソヤマキチョウ
(2015年9月5日 山梨県甲州市)


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