オオルリシジミ


 オオルリシジミ
オオルリシジミ
(2011年6月5日 長野県東御市)
クララという漢方に使われる野草がある。 アニメの主人公のような名前
だが、漢字では眩草(くらら草)と書く。根っこの部分を噛むと、くらくらと
するほど苦いところから来ているらしい。昔、咳止めなどに使われた。

オオルリシジミはこの野草に依存して生きている。

昔、小諸の郊外の田んぼのへりでオオルリシジミがクララの周りをたくさ
ん飛んでいるのを見たことがある。

長野では探せば見ることが出来た蝶だったが、今は絶滅が危惧される
ほど貴重な蝶になってしまった。

長野のごく限られた地域と熊本の阿蘇でわずかに見られるだけだ。

昔は田んぼの周りの草取りも鎌を使った人手で行われ、クララなどは刈
り取られないで残されていたが、機械化の導入で、雑草も野草も残さず
切り倒されてしまうことや、農薬の影響もあってあっという間にオオルリシ
ジミは滅びて行ってしまった。

小諸の田んぼで見たオオルリシジミは今は夢の中の幻になってしまった。
 オオルリシジミ♀
オオルリシジミ♀
(2011年6月5日 長野県東御市)
 オオルリシジミ
オオルリシジミ♀
(2011年6月5日 長野県東御市)
長野県東御市は2002年からオオルリシジミの保護活動を行っている。
最初は人工飼育し、その蛹を放すというやり方で多くの市民、市、企業
などが保護活動に参加した。

今では自然状態でオオルリシジミが生息出来るまでになっている。

 東御市で行われたオオルリシジミの親子観察会に出かけた。シチズン
の工場敷地内で繁殖している個体を観察する会で、120人ほどが参加
した。

長野では安曇野のアルプス公園でも人工繁殖の試みが行われている。
ここの試みはやり方について一部で批判もあるようだ。放蝶した個体も
小型だという声も聞こえてくる。

しかし、ことし初めて自然状態での個体が発生したそうだ。やはり関係者
の努力が実ったのだろう。

飯山市でもオオルリシジミが再発見されたというニュースもあった。

千葉から観察会に参加すると、時間がかなり厳しい。息子が「車で行って
やるよ」と言ってくれた。

なにかうれしい”親子観察会”になった。
オオルリシジミ
オオルリシジミ♀
(2011年6月5日 長野県東御市)
 
 オオルリシジミ♀
オオルリシジミ♀
(2011年6月5日 長野県東御市)
オオルリシジミ♂
オオルリシジミ♂ 
(2011年6月5日 長野県東御市)
オオルリシジミ♂
オオルリシジミ♂
(2011年6月5日 長野県東御市)
 
 オオルリシジミ
オオルリシジミ
(2011年6月5日 長野県東御市)
オオルリシジミ
オオルリシジミ
(2014年6月1日 長野県東御市)
 
 オオルリシジミの交尾
オオルリシジミの交尾
(2014年6月1日 長野県東御市)
 産卵するオオルリシジミ
産卵するオオルリシジミ
(2014年6月1日 長野県東御市)
産卵するオオルリシジミ
産卵するオオルリシジミ(クララの花穂に黄色い卵)
(2011年6月5日 長野県東御市)
 
 オオルリシジミ
オオルリシジミ
(2017年5月28日 長野県安曇野市)

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