オオシロモンセセリ
オオシロモンセセリ (2015年4月7日 沖縄県浦添市) |
この3月は体調を崩して家にこもっていたので、読書に時間を使う時間 が多かった。かって感動した山本周五郎がさっぱり面白く感じなかった のは全集の活字が今の僕にはあまりに小さすぎたのが原因なのだろ うか。 鴎外や漱石も少し読み直してみた。そしてこの二人の明治の文豪はど ちらが美文家なのだろうか、とふと思った。 漱石でいえば「虞美人草」の文章の流麗さは、その博識とともに思わず うならされてしまう。鴎外はよく「舞姫」が美文の代表のように言われる が、僕が読んだのはアンデルセンの「即興詩人」だ。 鴎外はドイツに留学していた4年間に400冊以上の本を読破したとい うが、アンデルセンの出世作になった「即興詩人」を読んだ鴎外は帰国 後10年をかけて翻訳した。 イタリアを舞台にした恋愛小説なのだが、その冒頭の「羅馬(ローマ) に往きしことある人はピアッツア・バルベリイニを知りたるべし」からぐ いぐい引き込まれてしまうのだ。これも美文の極致だ。 ローマにいて初めてうなってしまうのだが、鴎外の描写は自分がまるで その現場に立ち会っているかのような臨場感にあふれている。鴎外自 身はイタリアなど一度もいっていないのに、なぜそんな魔法のようなこ とが出来るのかまるで不思議だ。 鴎外の「即興詩人」を携えてイタリアを訪れた日本の文学者、芸術家は 数知れないほどだ。「虞美人草」と「即興詩人」のどちらに軍配を上げる か、むつかしいところだ。 牽強付会になってしまうのだが、セセリチョウの中の美といえばオオシ ロモンセセリは相当なものだと思う。 |
オオシロモンセセリ (2019年11月5日 沖縄県石垣市) |
オオシロモンセセリ (2015年4月7日 沖縄県浦添市) |
オオシロモンセセリ (2015年4月7日 沖縄県浦添市) |
オオシロモンセセリ (2017年10月14日 沖縄県石垣市) |
オオシロモンセセリ (2017年10月14日 沖縄県石垣市) |
オオシロモンセセリ (2017年10月14日 沖縄県石垣市) |
オオシロモンセセリ (2017年10月14日 沖縄県石垣市) |
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