アオバセセリ
アオバセセリ (2010年5月10日 東京都八王子市) |
「目には青葉山ほととぎす初鰹」という俳句は山口素堂が詠ん だ。作者は知らなくても、この句を知っているという人は多いだ ろう。 立夏も過ぎて山々の木々はそろそろ、若葉から青葉に移りか けている。 「青葉より青葉へ入る登山靴」(堂本ヒロ子)という句もある。 不順な気候で蝶の生態もことしは大分狂っているが、ゴールデ ンウィークを過ぎてやっと多くの蝶が飛び始めてきた。 きょうはあまり天気は良くなかったのだが、裏高尾の林道を歩 いてみた。心地よい風が吹き抜ける。 沢沿いに白いミツバウツギの花が咲いていた。この花もいつも の年より開花がかなり遅れている。黒い影がピュッと視界を横 切った。目をこらすとアオバセセリだった。 セセリチョウの仲間では異色の青葉のような翅をしている。飛 翔は敏速で、目で追うのもなかなかむつかしい。 アワブキのある沢沿いなどに生息している。 |
アオバセセリ (2021年4月21日 千葉県君津市) |
アオバセセリ (2019年5月8日 東京都八王子市) |
アオバセセリ (2018年5月5日 東京都八王子市) |
アオバセセリ (2018年5月5日 東京都八王子市) |
アオバセセリ (2018年5月5日 東京都八王子市) |
アオバセセリ (2014年5月16日 東京都八王子市) |
アオバセセリ (2010年5月10日 東京都八王子市) |
新国立美術館で開かれている「セザンヌ展」と「エルミタージュ美術 館展」に出かけた。充実した良い美術展だった。 セザンヌはリンゴなどの静物画やサント=ヴィクトワール山」のイメ ージばかりが頭にこびりついている。 エクス=アン=プロヴァンスにセザンヌのアトリエを訪ねた時には 近くから見えたサント=ヴィクトワール山に何故か感激したのを懐 かしく思い出す。 約90点の作品が展示されたこの美術展はこれまでぼくがあまり知 らなかった世界が広がっていた。そんな世界を覗き込むと、体がち ょっとぞくぞくと震えてくるような感じがした。 淡い、にじんだようなグリーンの色は日本画にも通じるようなところ もある。ところどころキャンバスに意識的に色を置かない作品もある。 改めてセザンヌの偉大さを感じる美術展だった。 八王子の渓流で白いウツギの花に来るアオバセセリを見ていると ふと、セザンヌの淡いグリーンを思い浮かべたりするのだった。 |
アオバセセリ (2012年5月16日 東京都八王子市) |
アオバセセリ (2010年5月10日 東京都八王子市) |
こどもの日の5日から東京は4日間続いて雨だった。 きょうは抜けるような快晴。雨上がりの林道は爽やかでとても 気持ちよかった。フィトンチッドがあふれているようだ。 人も多い。土曜日とあって網を持った採集者も多かった。 高尾山が混雑して、そのあおりか裏高尾の林道も最近は奥 まで車で入ってくる人が多くなった。 木下沢も日影沢も毎年荒れてきたのは残念に思う。 それでも久しぶりの晴天とあって、蝶たちがいっせいに羽化し たのか、朝早い林道はオナガアゲハが湧き出たように乱舞し ていた。 とても優雅で、いやな気分も吹き飛ぶ感じだ。 林道の白いミツバウツギの花にアオバセセリがいた。 沢のこちら側からはなかなか写真を撮るのも至難だ。 岩に登って、沢に転落しないように体を乗り出し、やっと撮影し た。 グリーンの翅が美しい。セセリチョウ科の蝶とは思えない美し さだ。 やっとシャッターを押すと、アオバセセリは飛び立ち、弾丸のよ うな速さでどこかへ消えていった。 (2009年5月) |
アオバセセリ (2014年5月9日 北関東山地) |
アオバセセリ (2014年5月9日 北関東山地) |
アオバセセリ (2014年5月9日 北関東山地) |
アオバセセリ (2014年5月16日 東京都八王子市) |
アオバセセリ (2014年5月16日 東京都八王子市) |
アオバセセリ (2017年4月12日 沖縄県名護市) |
アオバセセリ (2017年4月12日 沖縄県名護市) |
アオバセセリ (2017年9月21日 徳島県海陽町) |
アオバセセリ (2017年9月21日 徳島県海陽町) |