オオゴマダラ
オオゴマダラ (2007年10月29日 沖縄県那覇市) |
那覇市にある末吉公園は開発が急ピッチで進む那覇市に あって奇跡的に自然が残っているところだ。 空港からのモノレールの駅に近く、蝶の観察にはとても良い 場所だ。 公園を流れる小川のほとりで小学生4人が遊んでいた。 レンズを覗き込んでいると「なにを撮っているの?」と寄って くる。 「蝶だよ」と答えると、「わたしも大好き」と女の子がニコニコ 笑ってオオゴマダラ、ツマベニチョウ、タテハモドキ…などと 蝶の名前を挙げた。ちょっとした”蝶博士”だ。 「私たちの学校でオオゴマダラを飼っているので、見に来て 下さい」 4人はぼくの腕を引っ張って、「行こう、行こう」と言うのだ。 公園の近くに城北小学校があり、校庭のあちこちにオオゴ マダラの食草のホウライカガミが植えてある。 ”飼育”と言ってもそこにオオゴマダラが自然に発生している のだ。 「ほら、ここに蛹があるでしょう」「幼虫もいるよ」 ”蝶博士”のみずほちゃんが教えてくれる。 ここで羽化したオオゴマダラは近くの住宅地や末吉公園まで 自由に飛んで行く。 コンビニで買ってきたアイスクリームを舐めながら4人のこど もたちと楽しい時間を過ごした。 |
オオゴマダラ (2022年11月10日 沖縄県石垣市) |
オオゴマダラの産卵 (2019年10月18日 沖縄県石垣市) |
オオゴマダラの蛹 (2007年10月29日 沖縄県那覇市城北小学校) |
オオゴマダラ (2012年5月4日 沖縄県南城市) |
オオゴマダラ (2012年5月4日 沖縄県南城市) |
明治天皇は心打つお歌をいくつも詠まれている。 その中のひとつにこれがある。 「しきしまの 大和心のをゝしさは ことある時ぞ あらはれにける」 日本人は穏やかな民族で、ふだんは感情をあまり外には現さない が、ことある時には自己を投げ打って世のために尽くす。じっと心 の中に持っているもの、それが大和心というものなのだろう。 神戸の地震の時や昨年の東日本大震災、つい最近の竜巻の被 害などで多くの人たちがボランティアで被災地に駆けつける。 そのニュースをTVで見る度に感動する。 自分は何もできないが、何か出来ないものかともどかしく思う。 GWの最中、僕は沖縄に出かけていたが、反対に休暇を利用して ボランティア・ツアーで被災地に向かう若者たちがたくさんいた。 オオゴマダラの清楚な白と黒のまだら模様に見入りながら、若者た ちの美しい大和心に思いを馳せるのだった。 |
オオゴマダラ (2012年5月5日 沖縄県うるま市) |
オオゴマダラ (2012年5月5日 沖縄県うるま市) |
オオゴマダラ (2009年10月12日 沖縄県石垣島) |
真っ白な翅に黒いしゃれた模様を散らせたオオゴマダラは琉球・ 八重山を代表する優美な蝶といっていいだろう。 性格も南方になじんだのか、飛び方はゆったりとのどかである。 アサギマダラは2000キロもの渡りが話題になるが、この蝶は同 じマダラチョウ科に属するが、生息地を離れて遠く飛んでいくとい うことはないようだ。 ぎらぎらと輝く太陽、真っ赤な花、青空をバックに悠然と飛ぶ姿は 一度見たら忘れられない。 特にこの蝶の金色に輝く蛹はまばゆく美しい。 |
オオゴマダラの交尾 (2009年10月12日 沖縄県石垣市) |
オオゴマダラ (2014年11月27日 沖縄県石垣島) |
オオゴマダラの産卵 (2014年11月27日 沖縄県石垣島) |
オオゴマダラ (2013年10月26日 沖縄県石垣市) |
オオゴマダラ (2016年11月6日 沖縄県石垣市) |