クロコノマチョウ
クロコノマチョウ (2016年8月14日 千葉県鴨川市) |
ぼくは”東京っ子”だが、こどもの頃ジュズダマで遊んだ記憶が ある。 空き地がいっぱいあって、そこがこどもたちのかっこうの遊び 場になっていた。そんな空き地がいつか小さな湿地になり、 ザリガニやクチボソの棲みかになる。 ジュズダマは湿地のわきによく生えていた。実をとってきて、 女の子たちはお手玉や腕輪、首輪を作って楽しんでいた。 クロコノマチョウはジュズダマやススキなどのイネ科を食草に している。 この蝶も南方系の蝶である。 ちょっと前に発行された蝶の採集案内をめくってみると、クロ コムラサキの産地で知られる静岡県の藁科川上流が、東京 から出かけるこの蝶の採集地として紹介されている。 クロコノマチョウは1950年代後半から北上を始めているが、 その頃は静岡県が北限だった。 ところがここ数年神奈川県にも定着するようになってきた。 最近は北関東の山地でもその姿が見られるようになった。 クロコノマチョウは”黒い木の間蝶”という意味だろう。 太陽が燦々とあたる明るいところは好まないようで、樹林の 陰のようなところにいる。夕方、ふらりと飛んでいる変わった 蝶でもある。 |
クロコノマチョウ (2020年10月18日 千葉県千葉市) |
クロコノマチョウ (2020年10月18日 千葉県千葉市) |
クロコノマチョウ (2020年10月18日 千葉県千葉市) |
クロコノマチョウ (2020年10月25日 千葉県千葉市) |
クロコノマチョウ (2019年10月9日 埼玉県武蔵嵐山町) |
クロコノマチョウ (2019年7月3日 千葉県千葉市) |
クロコノマチョウ (2007年10月13日 神奈川県茅ヶ崎市) |
クロコノマチョウ (2007年10月22日 神奈川県横浜市) |
クロコノマチョウ (2007年10月22日 神奈川県横浜市) |
谷戸のせせらぎの黄色い花にクロコノマチョウが止まって いた。普段この蝶が遊んでいるちょっと暗い林縁沿いとは ちがって、モンシロチョウが飛んでいる、明るい、日の当た る場所で意外な感じがした。 クロコノマチョウの食草はジュズダマだが、先日73歳の誕 生日を迎えた皇后さまがこんなことを述べられていた。 「先日、朝の散歩の折に、小さなジュズダマの茂みを見つけ、 戦争中疎開先で遊んだことを思い出し、陛下とご一緒に少 し実を採りました。毎年集めると、、いつか針の持てるように なった愛子と、首飾りを作って遊べるかもしれません。…」 神奈川では秋にはよく見かける蝶になったクロコノマチョウ だが、皇居の吹上御所の庭でも遊んでいるのかもしれない。 (2007年10月23日) |
クロコノマチョウ (2007年10月22日 神奈川県横浜市) |
クロコノマチョウ (2018年10月22日 千葉県千葉市) |
クロコノマチョウ (2018年10月22日 千葉県千葉市) |
クロコノマチョウ (2009年8月18日 北関東山地) |
クロコノマチョウ (2009年8月18日 北関東山地) |
クロコノマチョウ (2009年8月18日 北関東山地) |
クロコノマチョウ (2009年8月18日 北関東山地) |
クロコノマチョウもここ1,2年神奈川県でよく見かけるよう になった。 神奈川県での詳しい越冬の報告は聞かないが、この蝶が 横浜市などで冬を越して世代を重ねているのは間違いが ない。 5月も終わりかけている頃、ゼフィルスを求めて散策してい ると、木下闇からふわりと飛び立った蝶がいた。 翅も大分痛んでいるが、越冬したクロコノマチョウであった。 越冬したテングチョウなどはとっくに姿を消しているが、夏 になろうというこの季節にまだ、越冬個体が生き延びてい るのは正直、驚いた。 |
クロコノマチョウ (2008年5月27日 神奈川県横浜市) |
クロコノマチョウ (2015年9月14日 大阪府八尾市) |