ギフチョウ(2014年)
ミツバツツジのギフチョウ (2014年4月11日 神奈川県) |
末吉を引いて多難の年初め 「今年は良い年になりますように」と願って初詣に出かけた神社で 引いたおみくじは末吉だった。 願い事、旅行、病気、金運…。どれもはかばかしくない。 その通り、七草過ぎに母が91歳で亡くなった。それから1か月もし ない内に、僕が胃ガンの手術の後遺症である食道と腸の吻合部に パンをつかえさせ、救急車で病院に搬送された。6か所から断られ 7か所目にやっと搬送先が見つかった。3時間半死ぬ苦しみだった が、何とか生還した。 それから間もなく、内視鏡の検査を受け、東京の病院から帰宅する と妻が倒れ、もがき苦しんでいた。びっくりして119番した。 救急病院に運ばれ、治療を受けたが、胆管結石とのことだった。5 日間の入院で退院出来た。 1か月の間に2回も救急車のお世話になり、我が家は近所では話 題の的になってしまった。 春が待ち遠しかった。 |
ウメとギフチョウ |
ウメの小枝で休むギフチョウ |
やっと春が来て、ギフチョウの便りが聞かれるようになった。 「元気を出そう」 このところ、蝶の撮影にはキャノンのEOS−7Dに300ミリの望遠を 使ってているが、弱った体力には重すぎてこたえる。 コンデジのLUMIX FZ200を購入して、新しいカメラで3月31日に ギフチョウの里に向かった。しかし、やっとスミレが咲き始めたばかり でまだ、梅が満開、桜もミツバツツジも蕾が硬かった。 4時間ほど散策したが、ギフチョウは姿を現さなかった。 山から下りてきた登山者に聞くと、「頂上には4匹ほど飛んでいました よ」とのことだった。まだ、麓に下りる時期は早いのだろう。 4月8日に再び挑戦した。 ポイントのマメザクラがやっとほころび始めていた。 満開のウメやこのマメザクラに昼前後からギフチョウが舞い始めた。 しかし、FZ200を使うのは今日が2回目。失敗作ばかりだ。なかなか 良い写真が撮れない。 天気も穏やかでカメラマンが30人ほどいた。ギフチョウがやって来る とどっと集まる。 それでもことしもギフチョウと出会えてうれしかった。 |
マメザクラに来たギフチョウ (2014年4月8日 神奈川県) |
ギフチョウ |
ギフチョウ |
ギフチョウ |
やっぱり、重い望遠を持ってもう一度行こう。 だって、来年も元気で、また来れるかどうか分からないじゃないか。 思い立って4月11日に3回目の挑戦となった。 天気予報では寒気が入って少し寒いと言う。 朝5時半に家を出て、電車とタクシーを乗り継いで、8時半に着いた。 蝶のベテラン方3人がスミレの前でカメラを構えて待っていた。 僕もご一緒させて頂き、10時頃まで待ったが、ギフチョウは一向に 姿を見せない。 場所を変えて散策する。とても気持ちの良い山里だ。気温も少し上 がって来た。 まず、ミツバツツジにギフチョウがやって来た。それからはウメ、マメ ザクラ、スミレと次々飛来する。 カメラの腕はまだまだだが、何とか何カットか美しいギフチョウの姿を 撮影出来た。 帰りは1時半のバスを乗り継ぎ、電車で帰る。 家に着くと6時近かったが、疲れも吹き飛ぶうれしい一日だった。 |
マメザクラで遊ぶギフチョウ |
カンアオイの新芽にに産卵するギフチョウ ♀ |
3回のギフチョウ観察で、今回は羽化直後のギフチョウとメスの産卵 を見かけた。 羽化直後のギフチョウはカタクリの花を見回っていたカメラマンの方 が偶然見つけた。3月31日の昼のことだった。 民家の庭先で周辺にはカンアオイは見当たらなかった。なんでこんな 所で蛹化したのだろう、と不思議に思った。 産卵は4月11日。これも別の民家の庭先で、ふらふら飛んでいたメス がカンアオイの新芽につかまって産卵を始めた。 こんな庭先にもカンアオイがあるのか、と思った。 しばらく時間をかけて緑色の真珠のような卵を10卵ほど産み付けて メスは去って行った。 カンアオイはほんの1株だけで、この卵から孵化した幼虫がうまく育っ てくれる可能性はとても低い。 でもなんとか無事、苦難を乗り越え、来年美しい飛翔を見せてほしい 思わずそう願った。 |
スミレで吸蜜するギフチョウ |
ギフチョウ (2014年4月8日 神奈川県) |
羽化直後のギフチョウ (2014年4月8日 神奈川県) |
カタクリで吸蜜するギフチョウ (2014年4月16日 新潟県長岡市) |
産卵するギフチョウ (2014年4月16日 新潟県長岡市) |