カラスアゲハ

カラスアゲハ

カラスアゲハ
（２００９年５月２６日　北関東山地）

　　　蝶の和名には「カラス」と名づけたものが意外と多い。

　　　このカラスアゲハもそうだし、もう少し山地に棲息する
　　　ミヤマカラスアゲハがいる。ミヤマというのは「深山」
　　　と言う意味だ。

　　　シジミチョウにはカラスシジミ、ミヤマカラスシジミ、ベニ
　　　モンカラスシジミがいる。

　　　黒々とした髪のことを「カラスの濡れ羽色」と表現したり
　　　するが、カラスアゲハは前翅に黒い毛のようなものがあ
　　　る。これがカラスを連想させたのだろう。
　　　
　　　カラスアゲハはよく花に集まる。

　　　春のゴールデンウィークの頃はツツジ、初夏が近づくと
　　　アザミの花などで吸蜜している姿は悠然としていてとて
　　　も風格がある。

　　　しかし、写真でうまく再現するのはなかなかむつかしく、
　　　後で見てみると翅が真っ黒になっていて、この蝶本来の
　　　美しさが出てこない。

　　　撮影者泣かせの蝶でもある。　

カラスアゲハ
（2023年9月15日　千葉県南房総市）

カラスアゲハ
（２０２１年５月９日　東京都八王子市）

カラスアゲハ
（２０２１年４月３０日　千葉県千葉市）

カラスアゲハ
（２０２１年４月２６日　千葉県千葉市）

カラスアゲハ
（２０２１年５月１４日　埼玉県越生町）

カラスアゲハ
（２０１９年９月６日　山梨県鳴沢村）

カラスアゲハ
（２０１９年５月４日　埼玉県越生町）

カラスアゲハ
（２０１７年５月１９日　　北関東山地）

カラスアゲハ
（２０１７年５月１９日　北関東山地）

カラスアゲハ
（２００９年５月２６日　北関東山地）

カラスアゲハ
(２０１０年５月２７日　北関東山地）

　きのうは４７回目の結婚記念日だった。
　きょうは妻が胆嚢の手術を受けた。

　昭和４２年に結婚してから今日まで山あり谷ありの人生だったが、特
　にこの３年は実に大変な日々だった。

　３年前僕は胃ガンの全摘手術を受けた。これからは妻だけが頼りだな
　あ、と思っていたら、何と追いかけるように妻が大腸ガンの宣告を受け
　た。
　手術から半年後僕は肺炎にかかって死線をさまよったが、手術で体力
　の亡くなっていた妻もまた、十二指腸潰瘍で入院した。

　今年１月に母が亡くなると、その後、僕が吻合部にパンをつかえさせて
　救急車で病院に運ばれた。それから間もなく今度は妻が胆管結石で救
　急車で入院という具合だ。長い人生で救急車のお世話になったのは僕
　も妻ももちろん初めてのことだ。それが１か月の間に２回だからご近所
　もびっくりだ。

　そしてきょうの胆嚢手術だ。
　手術は３時間足らずで終わった。小さな米粒ほどの石が胆嚢にあった。
　これが原因なのかどうか分からないが、妻は原因不明の背中の激痛
　に度々苦しんでいた。

　お見舞いと結婚記念日のお祝いを兼ねてバラのブーケを持って行った。
　「結婚記念日おめでとう。いつも本当にありがとう。深く感謝しています。
　元気になってまた一緒に旅行に行こうね」という短いメッセージを添えた。

　ベッドの妻はとてもうれしそうだった。（２０１４年５月１９日）

カラスアゲハ
（２０１７年４月２８日　東京都文京区）

カラスアゲハ
（２０１４年５月１６日　東京都八王子市）

カラスアゲハ
（２００９年５月１８日　山梨県大月市）

カラスアゲハ
（２００８年８月７日　長野県茅野市）

カラスアゲハ
（２００９年８月１８日　北関東山地）

　きょう５月１２日は「母の日」である。

　母はちょうどこの日が誕生日で９１歳になった。運動機能が衰え
　認知症が進んできたので、今は施設のお世話になっている。
　それまでの７年間は僕と妻とで介護をしてきたが、僕の胃ガン手
　術、妻の大腸ガン手術で介護が無理になり、施設にお願いするこ
　とになった。

　施設に入ってから３度病院に入院している。昨年秋は軽い脳梗塞
　と診断され、もうこれが最後かなと思って覚悟していたが、一か月
　後奇跡的に退院出来た。

　このゴールデンウィークも肺炎で入院したが、これも乗り切り、明日
　退院出来ることになった。

　自分の体調もあまり良くなく、つい弱気になってしまうのだが、母の
　頑張りは驚異的でさすが大正女だなあと思わされる。

　明日の退院でホッとしているが、逆に僕は痰と咳がひどく医師から
　「肺炎一歩手前。安静しなさい」と宣告されてしまった。

　　（母は平成２６年１月９日、お正月の七草が終わるのを待っていた
　　　かのように天国へ旅立っていった。）

カラスアゲハ
（２０１３年５月８日　東京都裏高尾）

カラスアゲハ
（２０１４年５月７日　神奈川県横浜市）

吸水中のカラスアゲハ
（２０１４年５月９日　北関東山地）

　日本のバレエの先覚者だった谷桃子さんが亡くなった。
　僕は谷さんの舞台は観たことがないが、先生が率いたバレエ団の公演
　は何度かみたことがある。

　谷さんはいつも会場の片隅にいて上品で穏やかな笑顔を浮かべていた。
　奥村土牛の代表作のひとつに「踊り子」がある。そのモデルが谷さんだ
　った。

　５月３日に青山葬儀所で葬儀が営まれた。

　その日に今度は世界的なバレリーナのマイヤ・プリセツカヤの訃報が舞
　い込んできた。何か偶然と思えない感じがした。

　天上の美神がふたりをそっと召したような気がした。

　プリセツカヤは何度も日本に来ている。僕も彼女の最晩年の代表的な
　舞台だった「瀕死の白鳥」を見たことがある。ほんとに短い作品なのだが
　心に染み込む素晴らしい舞台だった。

　今頃はふたりでバレエについて楽しく語り合っているのだろうか。

　マイヤ逝き谷桃子逝く五月かな