ホソオチョウ
ホソオチョウ♂ (2009年4月30日 東京都多摩川) |
ホソオチョウは中国や朝鮮半島に生息し、もともと日本にはいな い蝶だった。 1970年代に誰かが放蝶し、それが次第に分布を広げ、あちこち で見つかるようになった。 初期の頃、東大でこの蝶が見つかって大きな話題になったことが ある。 本郷の赤門をくぐってまっすぐ行くと東大の本部がある。その左手 はこんもりした森になっており、三四郎池がある。 本部の前の広場にはウマノスズクサが植えられており、今もジャコ ウアゲハがたくさんいるが、そこがかっこうの繁殖場所になってい た。 夏の盛り、この広場から三四郎池にかけてはホソオチョウがふわ ふわといくつも飛び、ウマノスズクサをひっくり返すと幼虫が何匹も 群れを作っていた。 ホソオチョウはやがて東大から姿を消し、日野、上野原、大月など あちこちから珍蝶発見のニュースが伝わってきたのだった。 この蝶を保護するため、天然記念物に指定しようかという話まで出 る騒ぎもあった。 今はもう日本産の蝶として記載されるようになっている。 |
ホソオチョウ♂ (2022年4月22日 埼玉県武蔵嵐山町) |
ホソオチョウ♂ (2019年4月22日 埼玉県武蔵嵐山町) |
ホソオチョウ♂ (2009年8月18日 北関東河川敷) |
ホソオチョウ♀ (2009年8月18日 北関東河川敷) |
ホソオチョウ♂ (2009年4月30日 東京都多摩川) |
ホソオチョウ♂ (2009年4月30日 東京都多摩川) |
ホソオチョウの幼虫 |
ホソオチョウ♂ (2016年4月19日 埼玉県武蔵嵐山町) |
もうすっかり日本でおなじみになったホソオチョウはここ数年、埼玉県 で分布を拡大しているらしい。 かっては神奈川、そして東京、埼玉という具合だが、僕が住んでいる 千葉県では寡聞にして聞いたことがない。不思議なことにアカホシゴマ ダラもそうだった。神奈川、東京、埼玉と分布が広がって行って栃木の 方から目撃や採集情報が伝わっても千葉ではなかなか発見されなか った。今では我が家の近くの公園でも生息が確認されるよになったが、 なぜか千葉県が敬遠されるようだ。 房総半島のルーミスシジミのような特異な蝶は分布しているのだが、種 類数では多分関東の中で最低なのではないだろうか。 そんなこともあって埼玉県の生息地まで出かけて来た。 タンポポの咲く草原にそれこそたくさんのホソオチョウが群れ飛んでい た。ゆらゆら飛び回るだけで、なかなか止まってくれないが、不思議な 模様を追いかけてしばし、春の一日を楽しんだのだった。 |
ホソオチョウ♂ (2018年4月9日 埼玉県武蔵嵐山町) |
ホソオチョウ♂ (2018年4月9日 埼玉県武蔵嵐山町) |
ホソオチョウ♂ (2018年4月13日 埼玉県武蔵嵐山町) |
ホソオチョウ♀ (2022年4月22日 埼玉県武蔵嵐山町) |
ホソオチョウ♀ (2018年4月9日 埼玉県武蔵嵐山町) |
ホソオチョウ♀ (2018年4月9日 埼玉県武蔵嵐山町) |
ホソオチョウ♀ (2016年4月19日 埼玉県武蔵嵐山町) |
ホソオチョウ♀ (2016年4月19日 埼玉県武蔵嵐山町) |
ホソオチョウ♀ (2016年4月19日 埼玉県武蔵嵐山町) |
ホソオチョウの産卵 (2018年4月9日 埼玉県武蔵嵐山町) |