シータテハ


シータテハ
(2006年9月2日  長野県湯の丸高原)
   夏の終わりかけた高原はそろそろハイカーの数も少なく
   なり、どこか静寂としている。

   堀辰雄の小説に「風立ちぬ」という名作があるが、晩夏
   の高原というとなぜか、このタイトルが思い浮かぶ。

   晩夏の高原は結構花々が咲き乱れ、そこここにクジャク
   チョウやエルタテハ、シータテハが舞っている。

   シータテハはキタテハによく似ている。

   キタテハと比べると翅の切れ込み(凹凸)が大きいのが
   大きな特徴だ。

   それにこの蝶の名前の由来でもあるが、裏面の後翅に
   アルファベットの「C」の模様がくっきりと描かれている。

   そういえば松田聖子の歌にも「風立ちぬ」がある。

      風立ちぬ 今は秋
      帰りたい 帰れない あなたの胸に
      風立ちぬ 今は秋
      きょうから私は心の旅人…

   ハミングしながらシータテハの舞をずーっと見ていた。
 シータテハ
シータテハ
(2022年8月19日 長野県小諸市)
 シータテハ
シータテハ
(2017年7月15日 北海道函館市)
 シータテハ
シータテハ
(2011年7月16日 長野県軽井沢町)
シータテハ
シータテハ
(2010年8月8日 山梨県甲州市)
シータテハ
シータテハ
(2017年8月27日 長野県小諸市) 
シータテハ
シータテハ
(2017年8月27日 長野県小諸市)
 
シータテハ
シータテハ
(2006年9月2日  長野県湯の丸高原)
シータテハ
シータテハ
(2006年9月2日  長野県湯の丸高原)
カエルの死骸に来たシータテハ
カエルの死骸に来たシータテハ(手前はコムラサキ)
(2007年7月27日  長野県軽井沢町)
   思いがけない場面にぶつかった。

   林道を歩いていると蝶がぱあっと飛び出した。

   車に引かれた無残なカエルの死体があり、そこに蝶たちが
   群がっていたのだ。

   タテハチョウ科の仲間はよく獣糞などに集まることが知られ
   ている。コムラサキもそういう習性がある。

   よく見るとコムラサキに混じって、シータテハも一緒になって
   口吻を伸ばしている。

   秋の草原で花が似合うシータテハだが、コムラサキに負け
   ずにカエルの死骸に口吻を伸ばしている姿に貪欲な食欲
   を見た気がした。

越冬したシータテハ
越冬したシータテハ
(2008年4月15日 宮城県仙台市)
シータテハ
シータテハ
(2008年7月16日 北海道富良野市)
シータテハ
シータテハ
(2008年7月16日 北海道富良野市)
 シータテハ
シータテハ
(2014年7月9日 北海道千歳市)


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