キタテハ


キタテハ
キタテハ
(2008年10月12日 千葉県千葉市)
   秋が深まってくると蝶の姿がだんだん減ってくる。

   10月半ばのこの季節でも晴天の日は蝶は元気に飛びまわって
   いる。

   千葉市のフィールドに出かけてみた。気温はちょっと低めだった
   が、キタテハ、アサギマダラ、ムラサキツバメ、ウラナミシジミ、
   ヤマトシジミ、モンシロチョウ、スジグロシロチョウ、キチョウ、
   イチモンジセセリ、アオスジアゲハ、ツマグロヒョウモン、ウラギン
   シジミなどが観察できた。

   中でもキタテハは秋が深まると美しく、あでやかになる。

   多くの蝶は深まる秋の中でやがてひっそりと死んでいくが、キタ
   テハやムラサキツバメは成虫のまま冬を越す。

   これからの長く厳しい冬を目の前にして、秋の日差しを思い切り
   楽しんでいるのだ。

   そう考えると、蝶たちの姿もまた違って見えてくるのだ。 

キタテハ
(2023年10月9日 千葉県船橋市) 
 キタテハ
キタテハ
(2023年10月13日 千葉県鴨川市)
 キタテハ
キタテハ
(2022年3月12日 千葉県船橋市)
 キタテハ
キタテハ
(2021年3月6日 千葉県船橋市)
 キタテハ
キタテハ
(2020年5月28日 千葉県千葉市)
 キタテハ
キタテハ
(2019年10月9日 群馬県渋川市)
 キタテハ
キタテハ
(2018年5月31日 千葉県市川市)
キタテハ
キタテハ
(2016年6月5日 千葉県船橋市)
 
 キタテハ
キタテハ
(2014年6月10日 千葉県市川市)
 キタテハ
キタテハ
(2014年6月9日 千葉県市川市)
 キタテハ
キタテハ
(2012年6月11日 千葉県千葉市)
キタテハ
キタテハ
(2008年10月12日 千葉県千葉市)
キタテハ

   3月も半ばになると、急に陽射しがやわらかくなる。
   「寒さ、暑さも彼岸まで」という言葉があるが、本
   当にそうだ。

   自宅から30分くらいのところに、まだ、わずかに
   残った田んぼがあり、田園風景が広がっている。

   お彼岸の中日(3月21日)、散歩がてら行ってみ
   た。

   モンシロチョウの初見日かな、と思っていたが、田
   んぼのまわりには何頭も羽化したてが飛んでいた。

   そんな時、すういすういとキタテハが飛んできた。
   羽を広げ、思いっきり春の日を浴びている。

   長い厳しい冬をやっとしのいだのだろうか。
   茶色い翅が擦り切れて痛んでいる。

   ぼくはその姿をいとおしい思いでじっと見ていた。
   まるで長い、サラリーマン生活を終え、ゆったりと
   新しい生活をスタートさせた人そのものに見えたか
   らだ。

   きっと元気に青春を謳歌したときも、恋人との出会
   いも、楽しい仕事やつらい仕事、耐え忍ぶ時もあっ
   たのだろう。

   どこにでもいて、あまり虫屋さんからも人気はない
   が、キタテハにはまさに人生が映し出されているよ
   うな気がした。

   やがて、ゆっくりと飛び立っていったが、残された
   最後の時間が幸せであってほしいと、思わず願った。

     (2006年3月21日  千葉県船橋市)
キタテハ
キタテハ
(2012年6月7日 千葉県千葉市)
 
キタテハ
(2008年5月27日  神奈川県横浜市
キタテハ
(2006年10月27日  山梨県北杜市)
キタテハ
キタテハ
(2007年10月22日 神奈川県横浜市)
  


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