ヤマキチョウ

ヤマキチョウ
ヤマキチョウ
(2013年8月5日 山梨県富士河口湖町)
 
 蝶友に誘われて富士山麓の高原に出かけた。
 天気はあまり良くなく、厚い雲がかかっていた。林道に入り、クロツバ
 ラやクロウメモドキなどを軽くたたいて行くとミヤマカラスシジミがいく
 つも飛び出して来た。

 そのうち樹林に潜り込んでいた蝶友が「あれ、これなんだ」と大声を上
 げた。近寄って見るとクロツバラの小枝に蛹がしっかりついている。
 蛹は今にも羽化しそうに一部に翅の色が透けている。

 「もうすぐ羽化するんじゃないか」
 「いやあ、今日は天気が悪いし、明日じゃないのかなあ」
 「じゃあ、また後で見に来ましょう」

 1時間ほどして戻ってくると、美しいヤマキチョウが羽化していた。
 きれいに翅が伸び、もうすぐ高原に飛び立とうという感じだった。

 羽化の瞬間は見逃してしまったが、とてもうれしい気分だった。 
羽化直後のヤマキチョウ
羽化直後のヤマキチョウ
(2013年8月5日 山梨県富士河口湖町)
 
ヤマキチョウの蛹
ヤマキチョウの蛹
(2013年8月5日 山梨県富士河口湖町)
 
ヤマキチョウ
ヤマキチョウ
(2015年8月16日 山梨県富士河口湖町)
 
ヤマキチョウ
ヤマキチョウ
(2015年8月16日 山梨県富士河口湖町)
 
 旧盆の季節、多くの採集者、カメラマンが富士山麓の草原を徘徊する。
 ヤマキチョウやゴマシジミが狙いである。

 しかし、この時期は高速道路の大渋滞と重なり、それが悩みの種であ
 る。きょうも息子夫婦の好意で出かけることになった。
 午前4時に船橋市の自宅を出た。さすがにこの時間帯はまだ車が少な
 く、目的地に6時半に着いた。

 草原は朝露でびっしょり、長めのスパッツは履いているが、ズボンを濡
 らしながら草原に踏み込む。すぐにゴマシジミがあちこちから飛び出し
 た。

 マツムシソウやカワラナデシコなどの花が咲いているが、お目当ての
 ヤマキチョウはなかなか見つからなかった。
 2時間ほど夏の草原を楽しんで、近くのポイントに移動した。

 しばらく草原に踏み込んで探していると、黄色い蝶が飛び出した。
 追いかけて止まったところを観察すると、ヤマキチョウだった。
 カワラナデシコにでも止まったところでも撮影したいところだが、そうも
 いかない。

 しばらくヤマキチョウと遊んで、ネットマンに出会わないようにそっと草
 原の奥に逃がしてその場を離れた。

 午前11時には早々帰宅に向かう。束の間の短い時間だったが収穫の
 多い日だった。 
ヤマキチョウ
ヤマキチョウ
(2015年8月16日 山梨県富士河口湖町)
 
ヤマキチョウ
ヤマキチョウ
(2015年8月16日 山梨県富士河口湖町)
 
ヤマキチョウ
ヤマキチョウ
(2015年8月16日 山梨県富士河口湖町)
 

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