トラフシジミ


トラフシジミ
トラフシジミ
(2008年4月23日 東京都裏高尾)
   真っ赤な椿が林道に散って、あちこちに花模様が出来ると、
   この蝶が姿を見せる。若葉が目にやさしい。

   コツバメやギフチョウが早春の蝶だとすれば、トラフシジミ
   はそれよりちょっと遅い季節の蝶と言ったらいいだろうか。

   花が大好きでマメ科やバラ科、ツツジ科などいろんな潅木の
   花やつぼみに卵を産みつけ、それを食べて成長する。

   しかし、花にはなかなかゆっくり止まってくれず、山道を歩く
   ハイカーの足音にせわしなく飛び立っては林道を行ったり
   来たりしている。

   トラフと言うのは文字通り「虎斑(トラの模様)」ということであ
   る。これは翅の裏側のことで、表は鈍い青色で陽光が当た
   ると渋い輝きをみせる。

   春型の成虫が産みつけた卵から6月頃夏型が一部誕生す
   るが、かなりは翌年まで蛹で過ごすという。年1化と2化の
   混在する珍しいタイプでもある。

   東京近郊の平地では近年姿を消しつつある。
 トラフシジミ
トラフシジミ
(2022年3月25日 埼玉県武蔵嵐山町)
 トラフシジミ
トラフシジミ
(2020年3月11日 埼玉県武蔵嵐山町)
 トラフシジミ
トラフシジミ
(2021年4月21日 千葉県君津市)
トラフシジミ
トラフシジミ
(2019年3月25日 埼玉県武蔵嵐山町)
 

トラフシジミ
(2019年3月25日 埼玉県武蔵嵐山町) 
トラフシジミ
トラフシジミ
(2019年3月25日 埼玉県武蔵嵐山町)
 
トラフシジミ
トラフシジミ
(2018年7月20日 北海道小樽市) 
トラフシジミ
トラフシジミ
(2018年4月13日 埼玉県武蔵嵐山町) 
 トラフシジミ
トラフシジミ
(2016年7月3日 群馬県)
トラフシジミ
トラフシジミ
(2016年6月12日 新潟県三条市)
 
 トラフシジミ
トラフシジミ
(2011年5月20日 北関東山地)
 ウツギに産卵するトラフシジミ♀
ウツギに産卵するトラフシジミ♀
(2011年5月20日 北関東山地)
  職辞して手ぶらで蝶を追ひゆけり    宮野隆一郎

 朝日新聞の俳句の欄を読んでいたら、こんな句が掲載されていた。

 僕は64歳で職を辞した。それまでの忙しさと比べ毎日が日曜日、さ
 あどうしようかと考え、子供の頃好きだった蝶と親しむ機会を持とうと
 考えた。
 ただし、捕虫網を持っての採集はもうしない。カメラを持って写真を撮
 ろう。これからの老後が楽しみだった。

 しかし、世の中そんなに甘くはなかった。
 退職の頃、体が弱って来ていた母が認知症の度合いが強くなり、介護
 が必要になったからだ。

 カメラを持って気軽に蝶の観察に行くこともむつかしい。妻に介護を頼
 んで何とか出かけるというのがやっとだった。山に出かけても母が気に
 なり時間を気にしながら早めに帰宅する。遠出もなかなか困難だ。

 それでも何とかこのホームページを作ってきた。

 そこに追い打ちをかけるように僕の胃ガン手術、妻の大腸ガン宣告が
 あった。そんな老後だが、蝶の趣味があってほんとに良かったと思って
 いる。

 同じ俳句の欄に
 馬柵(ませ)越えて夏蝶馬に逢いにゆく   大串若竹

 という俳句が載っていた。春の蝶が終わって夏の蝶の季節ももう間も
 なくだ。
トラフシジミ
トラフシジミ
(2014年5月16日 東京都八王子市)
 
トラフシジミ
トラフシジミ
(2008年4月23日 東京都裏高尾)
トラフシジミ
トラフシジミ
(2010年4月26日 東京都八王子市)
トラフシジミ
トラフシジミ
(2010年4月26日 東京都八王子市)
 トラフシジミ
トラフシジミ
(2015年6月2日 北海道帯広市)
 トラフシジミ
トラフシジミ
(2015年6月15日 北海道置戸町)
 トラフシジミ
トラフシジミ
(2017年4月14日 神奈川県相模原市)


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