 スギタニルリシジミ (２０１１年４月６日 神奈川県石砂山） |
トチの木は栃木県の県の木である。 トチというと野暮ったい感じもするが、パリではこれがマロ ニエになる。シャンソンで「マロニエ花咲く 街角で あな たとくちづけした…」と歌われると、何かしゃれた雰囲気に なる。 母校の高校の正門にマロニエの並木があった。６月頃に なると白い花が咲いた。高い木の上にちらっとだったから、 みんな気づかなかったが、女の子に教えてやると「えーっ、 ほんとだ」と喜ばれた。 母校が甲子園に出場することになり、久しぶりに母校を訪 ねてみたが、すっかり様子が変わり、当時のマロニエ並木 もほとんどなくなっていた。 スギタニルリシジミはこのトチを食樹にしている。 春、トチの高木がある渓流沿いなどにちらちら飛ぶこの蝶が 見られる。ギフチョウなどと一緒で年１度、春だけの出現で ある。 そういう意味ではスギタニルリシジミも「春の女神」と言っ てもいいのかもしれない。 ギフチョウを追いかける虫屋さんは多いが、スギタニの追っか けは少ないのは残念だ。 |
 スギタニルリシジミ （2022年3月17日 ときがわ町） |
 スギタニルリシジミ （２０２１年３月１６日 埼玉県ときがわ町） |
 スギタニルリシジミ （２０１９年４月１日 神奈川県相模原市） |
 スギタニルリシジミ （２０１９年４月１日 神奈川県相模原市） |
 スギタニルリシジミ （２０１６年３月３０日 神奈川県相模原市） |
 スギタニルリシジミ （２０１６年３月３０日 神奈川県相模原市） |
 スギタニルリシジミ （２０１８年３月３０日 神奈川県相模原市） |
 スギタニルリシジミ （２０１８年３月３０日 神奈川県相模原市） |
 スギタニルリシジミ （２０１８年３月３０日 神奈川県相模原市） |
 スギタニルリシジミ （２０１５年４月１２日 神奈川県相模原市） |
 スギタニルリシジミ （２０１５年４月１２日 神奈川県相模原市） |
 スギタニルリシジミ （２０１５年４月１２日 神奈川県相模原市） |
 スギタニルリシジミ （２００９年４月３日 神奈川県藤野町） |
| スギタニルリシジミは旧三高の数学教授、杉谷岩彦氏に因んで 命名された。 蝶の趣味を持っていた杉谷教授は国内や朝鮮半島にまで足を 伸ばして採集をしたが、大正７年４月２１日、京都の貴船でこの 蝶を初めて発見した。 学名の「Ｃｅｌａｓｔｒｉｎａ ｓｕｇｉｔａｎｉｉ ｓｕｇｉｔａｎｉｉ Ｍａｔｕｍｕｒａ」は松村 松年先生が命名したものである。 和名にも学名にも杉谷氏の名前が献呈されている。 この蝶は以前はトチなどがある良好な自然林に生息していた。 東京でも奥多摩など一部の地域で記録されていただけだったが、 最近は裏高尾やギフチョウで名高い石砂山山麓などでも普通に 見られるようになった。生息が確認されていなかった丹沢や箱根 にも急速に分布が拡大している。 それもトチのない地域で分布の拡大が目覚しく、本来の清涼な環 境から荒廃した林道でも集団で吸水するシーンが報告されている。 不思議な自然界の変化と言っていいだろう。 |
 スギタニルリシジミ （２００９年４月３日 神奈川県藤野町） |
 スギタニルリシジミ （２００９年４月７日 東京都高尾） |
 スギタニルリシジミ （２００９年４月７日 東京都高尾） |
| 高尾山を歩いていると、ちらちらと飛ぶ青い蝶がいた。 スギタニルリシジミだった。川原の湿ったところや林道の水が 流れているところを飛んでいる。 ここも以前はこの蝶は見られなかったが、最近は随分多くな った。 じっと観察してみると、口吻を伸ばししきりに吸水している。 写真でも糸のように細い口吻が伸びているのが分る。 しばらくすると腹部の先からぽたりぽたりと水滴が落ちてきた。 カラスアゲハなどで良く見られるポンピングという現象だ。 水滴は２〜３分ごとに腹部からぽとり、ぽとりと落ちていた。 おもしろいなあと思ってずっと見ていた。 別の場所ではスギタニルリシジミが３頭そろって吸水している シーンも見られた。 時には１０数頭の吸水集団が見られることもあるようだ。 |
 スギタニルリシジミ （２００９年４月７日 東京都高尾） |
 スギタニルリシジミ （２０１２年４月８日 神奈川県石砂山） |
 スギタニルリシジミ （２０１４年３月３１日 神奈川県石砂山） |
 スギタニルリシジミ （２０１４年４月２３日 東京都八王子市） |
 スギタニルリシジミ （２０１４年４月２３日 東京都八王子市） |
 スギタニルリシジミ （2017年4月5日 神奈川県相模原市） |
 スギタニルリシジミ （２０２０年３月２５日 神奈川県相模原市） |
 スギタニルリシジミ（飛翔） （２０２０年３月２５日 神奈川県相模原市） |