ヒロオビミドリシジミ

ヒロオビミドリシジミ
（２０１５年６月２２日　岡山県新見市）

　ヒロオビミドリシジミは西日本を代表するゼフィルスである。
　関東では見ることが出来ないので、昔から東京の昆虫少年は図鑑を
　眺めながらため息をついていた。

　もう余命もあまり長くないので、思い切って岡山まで出掛けた。一度こ
　の蝶を見ておきたいと思ったのだ。

　ホテルを朝６時に出発、教えて頂いたポイントに向かう。
　草原に沿ったナラガシワの樹林を長い、５メートルもある捕虫網で１本
　１本叩いて行く。採集はしないのでもちろん網はついていない。

　すぐに梢からひらひらと下草に舞い降りてくる小さな蝶がいた。
　あわてて駆け寄るとミズイロオナガシジミだった。違った。

　間もなく白っぽい小さな蝶が木の枝からポトリと落ちてきた。
　今度は待望のヒロオビミドリシジミだった。ちょっと胸がときめいた。
　何頭か観察して幸せ感いっぱいでいると、下草で翅をすりすりしている
　♂がいた。この動作は翅を開いてくれる前兆だ。

　しばらく待っているとみごとに翅を開いてくれた。金緑色の美しい色彩
　だった。

　翌日もどんよりした曇り空だった。また、朝６時にホテルを出て、発生地
　に向かった。♂の時期には少し遅かったが、梢からクローバーの草むら
　に落ちてきた♀が今度はきれいな翅を広げてくれた。