ゴイシツバメシジミ


ゴイシツバメシジミ
ゴイシツバメシジミ
(2019年7月9日 熊本県水上村)
 
 蝶との出会いはなかなかむつかしい。一度の挑戦で女神が微笑んでく
 れることもあれば、何度チャレンジしても出会いが叶わないこともある。
 アサヒヒョウモンは4度目でやっと出会いを果たした。コマクサ平に登っ
 てなんなく撮影する愛好家も多い中で、ツキがないのだろう。
 ゴイシツバメシジミは3度目になる。過去の2回九州独特の梅雨末期の
 大雨とぶつかり、まったく目撃もできなかった。熊本には7月9日に出か
 けた。今年も梅雨の雨がひどく、予報では雨だった。羽田空港では出発
 前「悪天候のため他の空港に向かうこともあります」というアナウンスが
 流れた。しかし、鹿児島空港に着くと曇りで、少し薄日が射していた。

 ゴイシツバメシジミの原生林に向かうと、保護活動をしているホテルの支
 配人の西さんが出迎えてくれ現況を説明してくれた。監視小屋の方は「こ
 こ数日まったく見られません。今年は天気が悪く稀です」と言われた。
 ともかく10時半から観察を始めた。吸水ポイントや周辺に目をこらす。
 天気は少し回復して来て予報とは違って、気温も少し上がって来た。
 しかし、いっこうにゴイシツバメの姿はなく2時間が過ぎた。今年もダメか
 なあと空を見上げ、不安が先立つ。その時、奇跡のように青空が広がり
 気温も一段と高くなった。
 ちらっと視界に小さな蝶が横切り6、7メートル離れた木の葉に止まった。
 近づいてみるとなんと待望のゴイシツバメだった。心臓がドキンとした。
 慎重に持っていたコンデジで4枚撮影した。馬鹿なことに、重いカメラは
 疲れて離れた場所に置いていた。あわてて取りに行って戻った時にはもう
 姿がなかった。悔やんだが遅かった。

 また、目を皿にした。食事から戻った息子も一緒になって探す。「いたっ」と
 息子が叫んだ。水溜りの出来た道路にちらちらとゴイシツバメが飛び時折
 吸水のため止まった。さっきとは別個体のようだった。しばらくするとまた
 別の個体が現れた。3頭か4頭が入れ替わり現れた。その間天気は晴れ
 たり曇ったり、気温は高かった。

 2時過ぎになると雲が厚くなった。引き揚げの途中監視小屋の下で吸水し
 ている2頭を見つけた。
 今日は本当に奇跡のような日だった。ホテルに着くと西さんが「そんなにい
 たの。ここ数年、出会える人が少ないのに良かったですねえ」と喜んでくれ
 た。
 翌日の10日は予報通り豪雨のような雨だった。
 梅雨の合間、たった1時間半の奇跡だった。
ゴイシツバメシジミ 
ゴイシツバメシジミ
(2019年7月9日 熊本県水上村)
ゴイシツバメシジミ
 ゴイシツバメシジミ
(2019年7月9日 熊本県水上村)
ゴイシツバメシジミ
ゴイシツバメシジミ
(2019年7月9日 熊本県水上村)
 
ゴイシツバメシジミ
ゴイシツバメシジミ
(2019年7月9日 熊本県水上村)
 
 ゴイシツバメシジミ
ゴイシツバメシジミ
(2019年7月9日 熊本県水上村)
ゴイシツバメシジミ
 ゴイシツバメシジミ
(2019年7月9日 熊本県水上村)
ゴイシツバメシジミの飛翔
ゴイシツバメシジミの飛翔
(2019年7月9日 熊本県水上村)
 
 


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