ゴイシシジミ


ゴイシシジミ
ゴイシシジミ
(2008年9月13日 千葉県千葉市)
  
     方丈の大庇(おおびさし)より春の蝶

  朝の「NHK俳句」を見るともなく見ていたら、高野素十の俳句を
  紹介していた。

  鎌倉だろうか。大きな伽藍の暗がりから、蝶が一頭突然目の前
  に現れ、横切って行った。冬が終わって春がやってきたんだなあ。

  蝶はアゲハだろうか、それともモンシロチョウだったのだろうか。

  そんなことを思い巡らせていたら、磐瀬太郎先生が書かれたエッ
  セーを思い出した。

  鎌倉の駅前の大通りを歩いていると、一頭のゴイシシジミがお寺
  の境内に飛び込んで行くのを磐瀬さんは目撃する。ゴイシ君はな
  にか思いつめたように一直線に飛んで行く。

  ゴイシ君は境内の植え込みを4〜5秒、うろつくと、やがてそうして
  はいられないというふうにお寺を通り抜けてまた、飛び去っていっ
  た。

  ゴイシシジミは蝶の中では珍しい肉食性である。

  竹やススキに白い粉のようにつくワタアブラムシを食べて育つ。

  生息地は局限され、蝶はそこを離れないと言われている。

  磐瀬さんが目撃したゴイシ君はなんなのだろうか。先生は半径百
  メートルくらいを調べ、ゴイシの生息地がないことに気づいた。

  「これはきっと仲間の中でワタアブラムシを探す”偵察機”ではない
  のだろうか?」

  そういえばゴイシ君の飛び方は同じシジミチョウと比べると、翅の
  動かし方がせわしなく、何か不思議だ。

  真っ白な翅に黒い”碁石”のような斑紋。実にシックで美しい小さな
  この蝶にも謎がいっぱいある。
ゴイシシジミ
ゴイシシジミ
(2023年7月16日 長野県東御市) 
ゴイシシジミ
 ゴイシシジミ
(2023年7月16日 長野県東御市) 
ゴイシシジミ
 ゴイシシジミ
(2023年7月16日 長野県東御市) 
 ゴイシシジミ
ゴイシシジミ
(2020年6月10日 栃木県真岡市)
 
ゴイシシジミ
(2020年5月25日 千葉県市原市)
 ゴイシシジミ
ゴイシシジミ
(2019年6月17日 富山県南砺市)
ゴイシシジミ
ゴイシシジミ
(2017年8月27日 群馬県嬬恋村)
 
ゴイシシジミ
ゴイシシジミ
(2017年7月15日 北海道函館市)
 
ゴイシシジミ
ゴイシシジミ
(2008年9月13日 千葉県千葉市)
ゴイシシジミ
ゴイシシジミ
(2010年7月26日 長野県東御市)
ゴイシシジミ
ゴイシシジミ
(2010年7月26日 長野県東御市)
 ゴイシシジミ
ゴイシシジミ
(2015年6月22日 岡山県新見市)


シジミチョウ科へ戻る