ホソバセセリ

ホソバセセリ
（２０１３年８月５日　山梨県富士河口湖町）

　この蝶の斑紋を見ると何故か古代ローマの兵士のことを思い出して
　しまう。バックには「アイーダ」の序曲が聞こえてきそうな気がする。

　おかしな連想だ。

　古代ローマ帝国というのはすごい国だとずっと思っていた。

　塩野七海さんの「ローマ人の物語」なんかを読んだりして、皇帝たち
　の活写に胸を躍らされたりした。

　しかし、モンタネッリの「ローマの歴史」を読むと、そんな”幻想”が吹
　き飛んでしまう。初代皇帝のアウグストゥスやティベリウスを除けば
　皇帝はまさに暗殺の歴史である。在位も極めて短く、多くは数年で殺
　害され、新しい皇帝が即位する。母殺し、兄弟・子殺しはいくらでもあ
　る。在位数ヶ月の皇帝が続く時代もある。

　モンタネッリはそれを読み物風に語っていく。
　何か目を開かされる思いだった。

　富士山麓の草原にホソバセセリが沢山いた。
　ススキの葉先に止まり、今にも戦闘に出かける風情が漂っていた。