ヒカゲチョウ


ヒカゲチョウ(ナミヒカゲ)
ヒカゲチョウ(ナミヒカゲ)
(2006年6月8日  神奈川県横浜市)

   横浜市の雑木林を歩いていたら、足元から勢いよく飛び
   立った蝶がいた。

   熟した木の実が地面に落ちており、それに群がっていた
   のが、このヒカゲチョウだった。

   東京周辺ではよく見かける蝶で、サトキマダラヒカゲと同じ
   ようなところにいる。熟した木の実、腐った果物、汚物とい
   ったものが好きなようで、女性からは嫌われる。

   意外と敏捷でカメラを向けるとすぐ飛び立ってしまう。

   ナミアゲハと一緒でナミヒカゲと呼ぶ向きもあるが、”ナミ”
   というのはこの蝶に失礼な気がして、あまり好きでない。
 ヒカゲチョウ
ヒカゲチョウ
(2020年11月23日 千葉県松戸市)
 ヒカゲチョウ
ヒカゲチョウ
(2020年6月7日 千葉県千葉市)
ヒカゲチョウ
ヒカゲチョウ
(2009年6月13日 千葉県千葉市)
 ぼくは麻布十番の近くで生まれた。かっては麻布日ケ窪と言った。
 司馬遼太郎の小説「殉死」の冒頭に「麻布に日ケ窪という町名がある。
 窪地になっている」と書かれている。

 材木町から坂を下りてくるその辺りは、確かに大きく窪み、日が射しにく
 い地形になっていて、金魚の養殖池が点在していたのを覚えている。
 乃木大将の旧宅も家の近くにあった。

 今はそんな風景は考えられないほど街並みは変わってしまった。

 裏高尾に日影沢という沢があるが、こちらもあまり日が射し込まない。
 木下沢と比べると、蝶の数も種類も少ないように感じる。

 日ケ窪だとか日影だとかいうとなにか暗い、陰鬱なイメージがある。
 「日陰の身」というと表だって活動できない存在、境遇と辞書にはある。

 ヒカゲチョウはどこかそんな暗さを秘めながら林間を飛んでいるのだ
 ろうか。
 ヒカゲチョウ
ヒカゲチョウ
(2019年5月28日 東京都杉並区)
ヒカゲチョウ
ヒカゲチョウ
(2010年7月26日 長野県東御市)
ヒカゲチョウ
ヒカゲチョウ
(2010年7月26日 長野県東御市)
ヒカゲチョウ
ヒカゲチョウ
(2009年6月2日 千葉県千葉市)
ヒカゲチョウ
ヒカゲチョウ
(2009年6月10日 千葉県千葉市)
ヒカゲチョウ
ヒカゲチョウ
(2013年9月12日 千葉県船橋市) 
 ヒカゲチョウ
ヒカゲチョウ
(2013年9月19日 千葉県船橋市)
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ヒカゲチョウ
(2015年9月14日 大阪府八尾市)
ヒカゲチョウ
ヒカゲチョウ
(2015年9月23日 千葉県船橋市)
 
ヒカゲチョウ
ヒカゲチョウ
(2015年9月23日 千葉県船橋市)
 
 ヒカゲチョウ
ヒカゲチョウ
(2018年7月19日 北海道上川町)


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